KiCad(キキャド)は無料で電子回路設計とプリント基板設計ができるソフトウェアです。
電子工作や回路設計において欠かせない存在となっており、2025年2月には最新版となる「KiCad 9」がリリースされました。旧バージョンから新機能や改善点が追加されたことで、更に使いやすくなりました。
この記事では、初心者の方がすぐにKiCadを使えるように、最新バージョンのインストーラーを Windows PC にダウンロードするところからインストールまでの手順を画像を用いて、分かりやすく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
オススメの参考書
KiCad の基本操作から実用的な基板設計までを丁寧に解説した一冊です。多層基板や差動配線など高度な機能にも対応しており、付属の DVD で実践も可能です。初心者から中級者の方に最適な一冊です。
KiCadとは
KiCad は、無料で電子回路設計とプリント基板設計ができるソフトウェアです。

電子工作や回路設計において欠かせない存在となっており、2025年2月には最新版となる「KiCad 9」がリリースされました。旧バージョンから新機能や改善点が追加されたことで、更に使いやすくなりました。
- 開発元:KiCad 開発チーム(スイスのCERNも協力)
- 初版リリース:1992年
- 最新バージョン:KiCad 9(2025年2月リリース)
- 対応OS:Windows / macOS / Linux
KiCadの機能紹介
KiCad には基板設計するための機能が提供されています。
これらの機能を使用することで初心者の方でも KiCad をインストールすれば基板設計が可能となっています。
KiCad の機能を紹介
- 回路図エディタ(Eeschema)
部品(シンボル)を配置し、ピンや端子を線で接続し、回路図を作成します。 - 基板レイアウトエディタ(PCBnew)
部品(フットプリント)を配置し、パターンを作成し、プリント基板を設計します。 - 3Dビューワー
設計した基板を立体的に表示します。 - 部品ライブラリ管理ツール
自作した部品(シンボルやフットプリント)や外部ライブラリを管理します。 - BOM出力・ガーバーデータ生成
基板の部品リストや製造業者への発注データを出力します。
KiCad 9の追加機能
最新バージョンの KiCad 9 では、上記機能以外にユーザーが使いやすいように新たな機能が追加や改善が加えられています。
KiCad 9の機能を紹介
- デザインブロックの導入
回路図エディタに「デザインブロック」機能が追加され、よく使う回路(例:電源回路やフィルタ回路)をブロックとして保存・再利用できます。 - マウスホイールによる番号変更
回路エディタや基板レイアウトエディタで、ラベルやパッドの番号をマウスホイールで簡単に変更できます。 - フィルター選択機能の拡張
回路エディタやシンボルエディタにフィルター選択機能が追加され、特定の要素(シンボル、ラベル、ワイヤーなど)を選択できます。 - 選択パターンの合計長さ表示
選択した配線やパターンの合計長さが表示されます。 - 矩形の中心点選択
矩形(四角形)の中心点を選択できるようになりました。
KiCadのインストール手順(Windows編)
ここからは Windows PC に最新バージョンの KiCad 9(※2025年6月時点)をインストールする手順を紹介します。
インストーラーをダウンロードする
次の手順で KiCad のインストーラーをダウンロードしてください。
下のボタンから公式サイトにアクセスします。
公式サイトの中央付近にある[Download]ボタンをクリックします。

インストール先である PC の OS を選択します。ここでは Windows を選択します。

Windows 64Bit版対応のファイルがダウンロードできるサーバーの候補が表示されます。
一番上にある Worldwide の GitHub を選択すれば問題ありません。
ファイルサイズは約1GBほどありますので、ネット環境によっては少し時間がかかる可能性があります。

ダウンロード開始と同時に開発チームへの寄付を呼びかけるページが開きます。
これは、KiCad がオープンソースで開発されているため、開発継続の支援を目的としたもので、任意で寄付が可能です。
このページの表示は必須操作ではなく、寄付をしなくても KiCad の利用に制限はありません。

KiCadをインストールする
次の手順で KiCad を PC にインストールしてください。
先ほどダウンロードしたインストーラー(kicad-9.0.2-x86_64.exe)をダブルクリックして起動します。

セットアップ画面が開くので、右下にある[Next]ボタンをクリックします。

インストール先であるユーザー を選択します。特に指定がなければ「all users」 を選択しておくといいでしょう。

インストールするファイルを選択します。
デフォルト設定のままで問題ないので、「Next」ボタンをクリックします。

インストール先のフォルダパスを指定します。
ここもデフォルト設定のままで問題ないので、「Install」ボタンをクリックします。

インストールが開始されるので、インストールが完了するまで待機します。インストールは数分程度で終了します。

インストールが完了すると、下図の画面に切り替わります。

KiCadを起動する
それでは、お使いの PC にインストールした KiCad を起動してみましょう。
デスクトップ上に下図のショートカットが作成されているはずですので、ダブルクリックして起動します。

最初の起動時には、部品ライブラリの読み込みなど少し時間がかかることがありますが、そのまま待ちましょう。
起動後、以下のような画面が表示されます。

ここまでできれば、無事にお使いの PC へインストールが完了しています。
まとめ
この記事では最新バージョンの KiCad をWindows PC にインストールする方法を紹介しました。
KiCad のインストールは、公式サイトからインストーラーをダウンロードして、インストールウィザードに従って選択していくだけで簡単にインストールできます。
KiCad は回路図から基板設計まで支えてくれる心強いツールです。
電子設計に興味がある方、これから回路図や基板を作ってみたいという方は是非、この記事を参考してインストールしてみてください。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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